食欲がない時の
栄養補給のポイントを解説！
食欲不振の原因と予防策とは？

食欲がなく、食事を抜いてしまったという経験が誰でも1度はあるのではないでしょうか。

食事は、単に食欲を満たすだけでなく、生命維持に必要な栄養摂取が目的であるため、食欲が湧かない時でも食事を抜くことは避けた方が良いとされています。

本記事では、食欲がない時の栄養の補給について、対処法や食欲不振の原因などを解説します。

食欲がなくなる原因には、体の不調やストレスなどが考えられます。

ここからは、食欲がなくなる原因を具体的に解説していきます。

胃腸の不調

食欲との関係が深い臓器に「消化器系」があります。

消化器系を代表する臓器には、胃や腸、食道などがあり、口から摂取した食べ物が通過し、食物に含まれる栄養素を消化し、吸収します。

食べ物は、口で咀嚼されて食道を通過し、胃で貯めて留まったのちに、少しずつ腸へと送られて消化吸収されていきます。

そのため、消化器系の臓器が不調となると、食べ物を受け付けられなくなり、食欲が減退します。

精神面での不調

消化器系の臓器の不調が原因として生じる食欲不振は、食物の経路である胃や腸が不調となり、物理的に食物を受け付けられなくなることで食欲が減退します。

一方で、食欲は栄養摂取に対する人間に備わった「欲求」の1つであるため、精神面での影響が反映されます。

そのため、ストレスや不安感などから精神的なコンディションが不調になると食欲も低下します。

服用中の薬の影響

一部の医薬品には、副作用として食欲低下をもたらす場合があります。

服用中の薬を飲んだ後などに、食欲低下などの影響が出た場合は、自己判断せず必ず医療機関を受診するようにしましょう。

毎日の仕事に追われて、日々忙しい生活を送るなかでは、ストレスや疲労、体調不良などを原因として、食欲が出ないこともあるでしょう。

しかし、食欲がないからといって食事を抜いてしまうと、体調の維持や疲労回復に必要な栄養素を摂ることができず、さらなる体調不良を引き起こし、食欲不振も改善しません。

食欲がない時でも、体が必要とする栄養素を適切に摂取することは健康を維持するために欠かせません。また、適切な栄養補給が体調改善や疲労回復を促進し、食欲の回復にもつながります。

食欲が湧かない時に、どのようにして効果的に栄養を補給すれば良いのでしょうか？

食べやすくするための食事面での工夫

食欲がない時でも、食事を抜くことは極力避けましょう。食欲が出ない時の食事では、食べやすくするための工夫がポイントになります。

例えば、最初から多くの量を盛り付けてしまうと、見た目だけで食欲が減退してしまうため、少量ずつに盛り付けをして、食べられる量に調節してみましょう。

また、麺類やスープ類など、のど越し良く食べやすい料理を選ぶことも重要です。

肉類や魚介類などは、味付けを工夫することで食べやすく感じる方もいます。

栄養補助食品

普段と同じような食事をとることが難しい場合には、「栄養補助食品」も有効です。

栄養補助食品は、一般的には「サプリメント」としても広く知られています。

その種類は豊富で、ビタミンやミネラルをはじめ、タンパク質を効率的に摂取することができる「プロテイン」なども栄養補助食品の一種です。

特定の栄養素を集中的に補いたい際に便利です。

栄養補助食品には、形状のバリエーションが豊富な点もメリットとして挙げられます。

固形の食品が食べづらい場合、ゼリーやドリンクなどの食べやすいものを選びましょう。

また粒剤、カプセル、粉末などの形状もあり、水などの飲み物と一緒に摂取するだけで、栄養補給ができる簡便さはメリットのひとつです。

栄養補助食品で日常生活に必要なすべての栄養を摂取することはできませんが、食事で欠けている栄養素を補う際には有効です。

もちろん、栄養補助食品だけに頼ることはせず、日頃からバランスの良い食生活を心がけることが大切です。

食欲がない時でも摂取が必要な栄養素として「タンパク質」と「糖質」2つの栄養素が挙げられます。

食欲がなく、食事をとることが難しい場合でも、活動エネルギーの源である糖質と全身の臓器や筋肉などを作るタンパク質は欠かせません。

糖質は生命維持活動に必要な栄養素であるため、体に大きく影響します。また、タンパク質が不足すると筋力低下につながり、運動機能の低下を招きます。

毎日の食事は、生命維持や健康維持に必要な栄養補給のために欠かせない生活習慣です。

そのため、食欲がなくなることで食事をとることが難しくなると健康維持や生命維持にとって大きなリスクとなります。

毎日を健康に過ごし、適切な食事ができるように、食欲不振にならないための対策が重要です。

規則正しい生活と適度な運動習慣

食欲の維持にとって重要なことは、健康な状態を維持することです。

体調不良や、食事と関わりが深い消化器系の臓器の不調は、食欲不振の原因となります。

体のコンディションや胃腸の状態を適切に保つためには、規則正しい生活を心がけ、睡眠による休息を十分にとることが必要です。

人の体には「自律神経」と呼ばれる生命維持に関わる体のさまざまな機能を調節する神経組織が備わっており、日中の活動を司る「交感神経」と夜間の休息を司る「副交感神経」が、それぞれのバランスを保つことで生命活動を維持しています。

食欲に関しても自律神経の働きが関係しているため、交感神経と副交感神経のバランスが崩れて自律神経が機能不全となると食欲も維持できなくなります。

自律神経の機能を維持するためには、日中の活動を終えた後、夜間に十分な睡眠を取ることが大切です。

また、日中に行う適度な運動習慣も自律神経の機能維持に欠かせない要素であり、運動と休養のバランスを意識した生活習慣と適切な食事による栄養補給も大切です。

ストレスを溜めない

全身や臓器など身体的な健康だけでなく、精神的な健康の維持も食欲不振を防止するためには重要です。

精神的な不調は、日常生活のなかで感じるストレスが原因になるケースが多く、ストレス解消に努めることが精神面での健全な状態と食欲維持には必要となります。

精神的な健康状態を維持するためには、自分自身がストレスを感じていることをしっかり自覚し、ストレスをコントロールすることが大切です。

また、ストレスを感じた時に、自分なりのストレス解消方法があるとストレスを溜め込まず、精神面の不調を回避できるでしょう。

体調不良の際には医療機関を受診する

食欲不振が長引く時や、明らかな体調不良を感じた際には、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。

また、体調不良に陥る前に健康維持を目的として定期的な健康診断を受診するようにし、自分自身の健康状態をチェックする習慣を身につけることで、体調不良や食欲不振を未然に防げる可能性が高まります。

食事は、生命維持に必要な栄養摂取の基本となります。

仕事などで多忙な日々を過ごしていると、疲労やストレスを原因として食欲不振になることもあると思いますが、食欲がないからといって食事を抜いてしまうと生命維持に必要な栄養摂取ができなくなるため危険です。

食欲不振の原因には、心身の不調や薬の副作用など、さまざまな原因が存在します。

食欲がなく、食事をとれない場合でも何らかの形で栄養補給をしなければなりません。食欲がない時の栄養補給には、食事を食べやすくする工夫や栄養補助食品などの活用が有効です。

また、食欲がない時の対策だけでなく、そもそも食欲不振に陥らないための予防策も重要で、規則正しい生活を送ることや適度な運動、ストレスコントロールなどが食欲不振の防止に有効です。

なお、体調に異変を感じる場合には、速やかに医療機関にて受診しましょう。