「夏バテ」は、「夏」に「疲れ果てる」を語源とした「ばてる」を組み合わせた言葉です。
辞書では、「夏の暑さで疲れ、動作や思考力が鈍くなること」とされており、「夏特有の暑さを原因とした体調不良」を表現する言葉としてよく使われています。以下で症状や原因などを詳しく解説します。
夏バテの症状
夏バテは、辞書的な意味としては「夏の暑さによる疲れ」と表現されますが、実際の症状には以下のようなものがあります。
【夏バテのおもな症状】
など
夏バテの原因
夏バテの原因としては、外出時の暑さと冷房の効いた室内の温度差によって、体温調節などの自律神経が乱れることがあげられます。
こうした身体的ストレスに、猛暑による寝不足なども重なり、自律神経が不調になると、夏バテ症状が起こります。
自律神経が乱れると発汗過多による脱水やミネラル不足、食欲不振によるビタミンやミネラルの不足にも繋がります。
前述したように、夏バテの原因には自律神経の乱れがあげられます。そのため、規則正しい生活や栄養バランスの取れた食事、適度な運動などに問題がある人は、自律神経が乱れやすいため夏バテになるリスクが高いです。
以下では、夏バテにならないための具体的な対策を紹介します。
十分な睡眠
夏バテを予防するうえで大切なものは「十分な睡眠」です。夏バテと関係が深い自律神経を整えるために十分な睡眠を取りましょう。
また、睡眠の際は時間だけでなく、睡眠の質にも注意が必要です。とくに夏場の熱帯夜には、エアコンを活用した室温調節で快眠状態を維持しましょう。設定温度は、環境省が推奨する28℃を目安に適温にしてください。
栄養バランスのとれた食事
自律神経を整えるには、食事による適切な栄養摂取が欠かせません。特に夏バテ対策には良質なタンパク質、ビタミンやミネラルが豊富な食材をしっかり食べましょう。
魚や野菜、海藻類などは良質なタンパク質、ビタミン、ミネラルを豊富に含むため、これらを積極的に摂ることをおすすめします。
栄養バランスを考えた食事を心がけましょう。
適度な運動習慣
自律神経の働きを適切に維持し、夏バテにならないようにするためには「適度な運動」も大切です。負荷が掛かりすぎない適度な運動習慣は、自律神経を整え、夏バテになりにくい身体を作ります。
ウォーキングやラジオ体操などご自身にあった運動がおすすめです。ただし、夏場の炎天下での運動は熱中症リスクが高くなるため、避けましょう。
毎日の仕事が忙しく早朝の出勤や深夜までの残業が重なると、栄養の偏った食生活、睡眠不足や運動不足になる場合もあります。
以下では、夏バテになった際の対処法を紹介します。
休息を取る
疲労感や倦怠感、発熱など夏バテが疑われる症状がある場合には、無理をせず休息を取るようにしましょう。
夏バテの可能性がある場合は、夜更かしをせず早めの就寝を心がけ、翌日以降に疲れをのこさないことが大切です。
室温を調節する
夏場はエアコンなどを活用して、適切な室温調節を心がけましょう。室温を下げすぎると外気温との差が大きくなり、体調を崩す可能性があります。外気温に注意しながら調節しましょう。
また、夜間の就寝時にはタイマー機能などを利用して、体が冷えすぎないように注意しましょう。
水分補給と栄養補給に注意する
夏場の体調管理で重要な要素が「水分」と「栄養」です。体内の水分量は、体温調節に欠かせません。人間の身体は外気温の上昇に合わせ発汗することで体温を調節します。
発汗することで水分不足になると、体温調節機能が適切に働きません。
また、発汗により体外へと放出される汗には、多くのミネラル成分が含まれています。夏場のような暑い環境で多くの汗をかくと、水分と同時に自律神経の維持に欠かせないミネラルも多く失われます。
そのため、夏場はこまめな水分と栄養の補給が重要となります。水分補給に関しては、昼間の活動中の水分補給だけでなく、寝ている間の脱水にも注意が必要です。
小まめな水分補給と同時に、栄養補給も心がけて、バランスのとれた食事を心がけましょう。夏バテの際に摂りたい栄養としては以下のようなものがあります。
- ビタミンB1:疲労回復効果が期待できる。うなぎや豚肉に含まれている。
- ビタミンC:自律神経の働きを活性化する。
- たんぱく質:筋肉など体を作る栄養素。体力や筋力の維持につながる。
医療機関を受診する
発熱が続くなど症状が悪化する場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。また、疲労感や倦怠感など軽い症状の場合でも、長引く場合には医療機関への相談が望ましいです。
倦怠感や疲労感、発熱など夏バテが疑われる症状は、他の疾患でも見られる症状のため、症状から安易に自己判断せず、気になる症状がある場合には積極的に医療機関を受診しましょう。