天然植物エキス「ピクノジェノール®」の抽出と研究を長年行っているホーファー・リサーチ社は、小林製薬と2007年にパートナーシップを結び、「エディケアEX」の開発を通じて、男性の健康をサポートしてきました。
今回はホーファー・リサーチ社の皆様と、「エディケアEX」の開発を担当した小林製薬・青木洋満へのインタビュー、第1弾をお届けします。
パートナーシップ開始の経緯や当時の課題、この2社だからこそ実現できたことをお話いただきました。
R&D Development Department
KOBAYASHI Healthcare International, Inc.
青木洋満(あおき・ひろみつ)/ インタビュー時にアメリカ駐在中であったためオンライン参加
――小林製薬がホーファー・リサーチ社とパートナーシップを結ぶことになった経緯について教えてください。
青木:小林製薬では、「エディケアEX」開発プロジェクトが立ち上がる前、2003年頃からピクノジェノール®を採用したサプリメント製品を発売していました。
例えば、くっきり見る力をサポートする「ルテインe」や、ピクノジェノールの抗酸化作用を利用したサプリメントなどです。
私自身は現在、アメリカにある小林製薬のグループ会社にいますが、日本で働いていた当時にピクノジェノールと出会ったのも、アメリカで開催された展示会の場です。
中高年男性のためのサプリメントを開発するために原料を探し、比較検討していたところ、ピクノジェノールは効果と安全性、そしてトレーサビリティに関する情報が確かでした。
当時はサプリメント原料を医薬品原料のように、エビデンスベースで扱う会社が少なかったのですが、ホーファー・リサーチ社の研究やエビデンスを重視する考え方が小林製薬と共通していると感じたのもポイントです。
ホーファー・リサーチ社の持つ研究体制が非常に優れていることも、パートナーシップ締結の決め手になりました。
また、メンズヘルスの研究に対してオープンな雰囲気ではない当時の日本でサプリメントを開発することは難航するだろうという予想もしていました。
そこで、メンズヘルスの分野に対する考え方がひらけている海外の企業であり、世界中でピクノジェノールの研究活動を行っているホーファー・リサーチ社の力を借りたいと考えたのです。
――実際に「エディケアEX」開発を進めていく中で難しかったことはありますか?
青木:「エディケアEX」の開発自体は、ホーファー・リサーチ社の研究で得られたエビデンスに基づいて問題なく進みましたが、日本人に受け入れられやすい製品にすることは工夫が必要でした。
例えば、開発の参考にしたのはピクノジェノールを使用した「Prelox(プレロックス)」というサプリメントだったのですが、「プレロックス」は海外の方向けで、濃い青色の非常に大きな錠剤です。
日本ではその見た目に抵抗を持たれると考え、日本人向けに作りかえる工程を苦労して進めたのを覚えています。
また、試作品の効果をモニタリングする際、社内モニターがなかなか集まらず、やはりメンズヘルス領域に関してはどこかタブー視されていることを感じました。
最終的には管理職の男性社員たちに試作品を送り、アンケート回答も得たのですが、率直な意見を書いてくれる社員もそう多くはなかったです。
今ならモニターも問題なく集められますが、当時はこのようなテーマの研究発表自体もデリケートに扱われていました。選ぶ言葉一つとっても「ハラスメントにならないように」と留意しながら進めていたのを覚えています。
――ホーファー・リサーチ社の皆様は、小林製薬とのパートナーシップをどのようにとらえていらっしゃいましたか?
フェラーリ社長:当社はまさに小林製薬のような、当社の研究を基盤とした原料開発を理解いただけるパートナーを探していました。
また、小林製薬は歴史と実績のある信頼性が高い会社です。そのような会社から興味を持っていただいたことは非常に嬉しく、完璧な出会いでした。
――小林製薬が「エディケアEX」の開発時に参考にした「プレロックス」についても教えてください。
フェラーリ社長:「プレロックス」の製品コンセプトを考え、原料の配合等に関する特許を取得したのは私です。その背景には「天然で安全性が高い原料を使って、男性の健康をサポートする健康食品を開発したい」という思いがありました。
健康食品にこだわりたかった理由は、医薬品との役割の違いです。
医薬品は、特定の成分が強い効果を発揮することで、体内の特定のシステムを促進あるいは阻害するという働きをします。これは自然な方法ではないため、効果が強すぎると、軽度から重度のものまで、副作用が出る場合もあります。
私たちは、医薬品にはせずに、天然で体に優しい、男性の健康をサポートするような製品を作りたいと考えて「プレロックス」の配合を考えました。
――「エディケアEX」の特許配合について、教えていただけますでしょうか。
フェラーリ社長:「エディケアEX」のもととなった「プレロックス」の開発当時は、他のメーカーでもメンズヘルス領域の医薬品が研究開発・発売され始めていた時期です。
研究論文や記事を読んでいて分かったのは、男性の健康に関するメカニズムを正しく理解することが重要だということでした。
適切な成分配合を考えるためには何が必要なのか、つまりピクノジェノールが最高のパフォーマンスを発揮するためには、どのような成分の組み合わせが最適なのかを理解する必要があったのです。
その研究の結果決まったのが、ピクノジェノールとアルギニンという2つの成分に、希少なポリフェノールを含むロブビット®、アルギニンの産生を助けるシトルリンなどを配合したサプリメントでした。
アルギニンとは、体内で一酸化窒素を産生するアミノ酸です。一酸化窒素は血管内の平滑筋を弛緩させ、血管を拡張します。そしてピクノジェノールは火付け役として刺激を与え、アルギニンがより効率よく一酸化窒素を作れるようにする役割を果たします。
アルギニンとピクノジェノールの組み合わせであることが重要で、両成分を適切な配合で組み入れることで、自信を持って世の中に送り出すことができるサプリメントができました。
――パートナーシップによって得られたこと、実現できたことをお聞かせください。
青木:ホーファー・リサーチ社の皆様には、製品を発売開始した後も、「エディケアEX」の臨床試験に多大なご協力をいただきました。
臨床試験はただ試験を行うだけでなく、学術論文にまとめて発表するという重要な仕事もあります。
私はその頃マーケティング部に異動したのですが、ホーファー・リサーチ社からのアドバイスやご協力があったことで、マーケティングの仕事をしながらでも順調に進めることができ、海外の学術誌へのスピーディーな掲載が叶いました。
やはり日頃から学術活動に注力されている会社ならではのサポートをしていただけたと感じています。
フェラーリ社長:小林製薬とのパートナーシップは、単なるビジネスだけではない、とてもユニークな関係です。顧客と継続的な信頼関係を築くことは当然重要ですが、小林製薬の皆さんとは友情も感じています。
パートナーシップ開始当初から当社の研究へ強い関心を持ち、それを小林製薬らしい製品開発やマーケティングにつなげてくださいました。
――当時を振り返っていただき、ありがとうございます。第2弾の記事では、ホーファー・リサーチ社様と小林製薬のパートナーシップにおける、今後の展望を伺います。
エディケアEX
PYCNOGENOL(ピクノジェノール®)公式サイト